阿部哲茂法律事務所 トピックス

法律の話題を載せております。

2021.06.12

【伊塚允耶】

コラム

テレワークの留意点

コロナウイルスの蔓延により,テレワークを導入し,あるいは,テレワークの導入を検討する会社が増加しております。
もっとも,テレワークによる自宅勤務の場合には,例えば買い物や役所等の手続き,子供の送迎などの私用を勤務時間中に行うことが可能となってしまう,といった弊害が聞かれるところです。

また,労働時間の管理は使用者側に求められていることから,労働時間管理を曖昧にしてしまうと,
例えばパソコンをつけっぱなしにしていただけなのにもかかわらず,
その時間は働いていたので残業代を支払うよう請求される,などという事態を招く可能性があります。

そのため,テレワークを導入する場合には,
使用者としては,自宅での勤務をする際のパソコンを会社支給とし,電源のON・OFFのみならず,パソコンの稼働状況にて労働時間を把握するなど,事業所外での労働時間管理を行う方法を構築する必要がありますので,この点に留意が必要となります。

2021.05.07

【大神亮輔】

コラム

コロナ下での裁判

なかなか新型コロナウイルスの流行が収まらず,東京や大阪だけでなく,福岡でも3度目の緊急事態宣言が間近になっているようです。

昨年,最初に出された緊急事態宣言下においては,期間中の裁判手続は原則取消しとなり,延期されることとなりました。そのため,約2か月もの間裁判が開廷されず,裁判にかかっている事件が全く動かない状況となってしまいました。
その後は,法廷内でアクリル板等を設置するなどの感染対策を講じた上,電話会議やWEB会議も活用し,当初のように期日を取り消すことなく期日を進行しています。2回目の緊急事態宣言下でも同様で,今後も流行が収まるまではこのような運用が続くことが見込まれます。
裁判が長くかかること自体依頼者には負担となりますので,このような状況下にあっても迅速な解決に向けた取組を続けていきたいところです。

2021.03.29

【渡邊敬紘】

コラム

懲戒処分の公表について

先日,教員免許法の施行規則が改正され,本年の4月1日より,教員が懲戒免職された理由(児童へのセクハラなど)が官報で公表されるようになりました。

一般的な企業でも,従業員に懲戒処分を課した場合には,懲戒処分の内容を社内公表する場合がありますが,公表する際にも個人情報への配慮が必要となります。
 例えば,処分した従業員の氏名は個人情報に当たりますので,これを公表すると,不法行為であると評価されるリスクがあります。また,処分内容を詳細に公表することで,処分を受けた個人が特定される場合も同様です。

 一般常識からすれば,非行を行った従業員は氏名などを公表されて当然だと思われるかもしれませんが,不用意に氏名や処分内容を公表すると思わぬ紛争に発展するリスクがあるので注意が必要です。

2021.03.01

【木村治枝】

コラム

民事訴訟手続きのIT化

先日,法制審議会において「民事訴訟(IT化関係)の改正に関する中間試案(案)」が公表されました。

 現在,訴状や準備書面等裁判上の書面のやりとりは紙媒体を提出することによって行っておりますが,上記中間試案(案)では,これらをインターネット上で提出し,また,判決が出た場合にはメールで通知が届き,インターネット上で判決文を確認できるといった内容が盛り込まれています。

 中間試案については,今後,意見募集の手続きに付され,さらに検討が進められるようですが,裁判が効率的で利用しやすい手続きになりそうです。裁判手続きがどのように変わっていくのか,注視したいと思います。

2021.01.04

【伊塚允耶】

コラム

2021年施行の法律について

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

早いもので年号が令和に変わりまして3年目に突入いたしました。
新型コロナウイルスの関係で,社会情勢が劇的に変化する状況ですが,
法律関係についても2021年に改正され施行されるものがございます。
以下,2021年に施行される主たる法改正についてご確認ください。

〇同一労働同一賃金
同一労働同一賃金とは,同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。
そのためパートタイム・有期雇用労働法が改正されており,大企業に関しては2020年に既に施行されております。
かかる分野については,近年,最高裁判所により不合理な待遇の是正を命じる判決が数多く出されており,
企業の経営に重大な影響を与えるものとなっております。
そして中小企業についても2021年4月に施行されますので,対応が不可欠なものと思われます。

〇高年齢者雇用安定法(4月1日施行)
これまで65歳までの雇用継続を求めていた同法が,
努力義務ではありますが,70歳までの雇用継続を求めるよう改正されております。

〇賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(6月18日施行)
一定数以上の賃貸住宅を管理する場合に賃貸住宅管理業者の登録が必要となり,また管理受託契約締結時の重要事項説明などが義務化されます。


法改正に対する対策にあたっては,各会社の状況によって対応を変える必要があります。
しかしながら,現段階ではガイドラインやマニュアル等が少なく,判断に迷うこともあろうかと思われますので,その際には弊所に御相談ください。

2020.12.12

【大神亮輔】

コラム

裁判手続のIT化

新型コロナウイルスの流行の影響もあり,テレワークやウェブ会議など,直接人と会わない形での業務が浸透してきています。

裁判所でも,IT化の一端として,昨年から一部大規模庁において,裁判期日をウェブ会議で実施しています。また,今後,各地裁や支部においてもウェブ会議による期日運営が順次導入されることとなっています。
このほか,準備書面や証拠をデータでやり取りするなど,より迅速かつ充実した審理が行えるよう,制度の改善が進んでいくことが予定されています。

我々も,旧態依然のままでなく,見直すべきところは見直し,より良いリーガルサービスの提供に努めたいと思います。

2020.10.13

【阿部哲茂】

コラム

非正規格差に関する最高裁判断

 正社員に支給される退職金や賞与が非正規従業員(契約社員)に支給されないのは「不合理な格差」に当たるのかどうかが争われた,いわゆる「同一労働同一賃金」に関する2つの最高裁判決が10月13日に言い渡されました。
 原審である高裁は,退職金については4分の1,賞与については6割の支給を会社に命じていましたが,最高裁は,それらが支給されないことにつき「不合理な格差」とは言えないと判断し,非正規従業員側の請求を棄却しました。
 ただし,最高裁も一刀両断に非正規従業員に対し退職金や賞与を支給しなくてもよいと判示しているわけではなく,当該会社の個別事情によって判断すべきと判示していますので,会社側としては非正規従業員の待遇については今後も慎重な判断が必要となります。
 このような自社の非正規従業員に関する待遇等について不明な点がありましたら,当事務所にお気軽にご相談ください。

2020.10.02

【渡邊敬紘】

コラム

ハンコと裁判

最近,行政改革の一環として「脱ハンコ」が唱えられるようになっており,行政文書の9割以上で押印を廃止するという報道もなされています。

他方で,民事裁判では,ハンコの印影は極めて重要な役割を果たしています。
というのも,民事裁判では,本人の判子の印影と文書の印影が一致する場合には,本人が作成した文書として扱われることになっています。したがって,文書に判子が押されていることは,裁判で証拠として使用することを考えるのであれば,依然として重要な意味があるわけです。重要な契約書でハンコを押さなかったりすれば,裁判になった際に,偽造文書であるなどと主張されるリスクが生じてくるからです。

もっとも,現在では,クラウドサインなど電子署名のサービスの提供も増えつつあります。また,民事訴訟手続についても,まさにTeamsなどのソフトを用いたIT化も進行中です。IT化に即して「ハンコ」の役割が見直されるのも時間の問題なのかもしれません。

2020.09.14

【木村治枝】

コラム

経営承継円滑化の特例について

先日,「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(以下「経営承継円滑化法」といいます。)の遺留分に関する民法の特例についてのご相談がありました。

経営承継円滑化法は,中小企業において経営の承継を円滑にすることができるよう税制支援,金融支援,遺留分に関する民法の特例等を定めた法律です。

このうち,遺留分に関する民法の特例を利用すると,後継者及び経営者の推定相続人の合意の上,現経営者から後継者に贈与等された自社株について,①遺留分算定基礎財産から除外したり,②遺留分算定基礎財産に算入する価額を合意時の時価に固定したりすることが可能になります。
そして,このような特例を利用することにより,自社株を後継者にスムーズに承継できることが期待されます。

ただし,特例を利用するためには,経済産業大臣の確認や裁判所の許可を取得する等要件を満たすことが必要になります。また,同特例は,令和9年12月31日までの株式の譲渡にのみ適用され,また,令和5年3月31日までに「特例承継計画」という書類を作成・提出しなければならない等の期間制限がありますので,ご利用をご検討されている・興味をお持ちの方は,是非一度ご相談ください。

2020.08.10

【伊塚允耶】

コラム

裁判における弁護士の業務について

皆様の中には,裁判と聞くとドラマであるような法廷で弁護士が当事者に質問をしているシーンを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかしながら,一般の民事訴訟においては,当事者に対する尋問を行う前に,原告と被告が法的な主張を戦わせて争点の絞り込みが行われます。
かかる工程は,主張書面とその反論書面という書面のやり取りで行われますので,この工程が民事訴訟の内容の大半を占めることになります。
したがって,弁護士の業務では,どれだけ裁判官に説得的な書面を作成するか,ということが最も大切になり,まさに腕の見せ所ということになるわけです。

そのため弊所では,当該書面に説得力を持たせるため,個々の事案の主張内容の精査はもちろんのこと,
裁判官が普段からなじみのある行政文書の書き方にならい,漢字の送り仮名,接続詞の使い方,「てにおは」の使い方などに至るまで,吟味検討を行うようにしております。

今後もより良い文章を書くことができるよう研鑽を積んでいきたいと考えております。
1/5 1 2 3 4 5 »